第124話 春が来た ---2011.4.29.
何かと落ち着かない中、私は電力の許す限り(現代のオルガンは電気の力なしでは音が出ない、、、) オルガンに向かい、コンサートの準備を進めている。 秋までのコンサート、今年はいろんなオルガンを弾かなくてはならない。夏の清里では、1段鍵盤のバロック様式の小さなオルガン、 そして教会の2段鍵盤のフレンチ・バロック・オルガン、コンサートホールのネオ・バロックの3段鍵盤の大きな楽器、 ポーランドでは大きなロマン派様式の大オルガン、、どれも“オルガン”だが、 様式も、規模も、様々で同じオルガンと言っても幅が広い。そしてそれぞれの楽器に合ったプログラムを 考えなくてはいけない。我が家の楽譜棚はだいたい右から左へと年代順に楽譜は並んでいるのだが、 プログラムを決める時には、まずはこの曲はどうかな、と思う楽譜をかたはし出していく。部屋の中は楽譜がどんどん散乱していく。 そして譜面を見たり、試奏したり(電子オルガンです、、)しながら、これは弾ける(楽器に合う)曲、これは弾きたい曲、 これはふさわしくない、弾けない曲、、と分けていく。楽譜で足の踏み場もない状態に〜。 そして全体の流れを考える。トークの入るコンサート、入らないコンサート、などと実際のステージをイメージしながら。 毎回のプログラミングはこうして決まっている。 またタッチ、笛の鳴らし方、息遣い、、演奏も楽器に合わせなければならない。 持ち歩きの出来ない、いつも違う楽器で演奏しなければならない私達オルガニストの 宿命だが、大変だ。 目下、私がオルガニストを務めさせていただている大森めぐみ教会での41周年記念コンサートに向けて準備中♪。 日頃、よく弾いている楽器なので、一番美しく奏でたいし、また皆様方にもぜひこの私の愛すべきオルガンの美しさを聴いていただきたいと。 教会の大きく立派な桜も満開(左上の写真)、イースター(復活祭)の日曜日には、 「失望も希望に変わる」イエスが復活されたというメッセージを聞き、 被災された方のために祈りを捧げた。
今回のメッセージ、被災された方々へのお見舞いと 一日も早い復興をお祈りしつつ、私の周りの身近な“春”をお伝えしました。
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