オルガニスト楽屋話

第150話  ミュンヘン行きの列車でのハプニング ---2012.9.23.

ドイツ国内の列車ではオンライン・チケットが普及し、ドイツ人もみなプリントアウトしたチケットを見せている。確かに前売りは便利で安価。
ICE(インターシティ・エクスプレス)の車内では、無線LANに接続することも出来、次の場所の情報を調べたりと、 当たり前ですが私の留学時代に比べ格段に進化していました。

ところが、、、時間に正確のはずのドイツの鉄道が、遅れることしばしばで、30分、時には1時間の遅延もありました。 旅も最後、ミュンヘンへ行く時のこと。ミュンヘン行きの列車が同じホームに入ってきたので、重くなった スーツケースをやっとの思いで列車に乗せ、席を探す。窓側の席を予約したはずなのに、通路側。 Reservedの印もない。 あれ、おかしいな、と思い、まだ出発時刻まで10分程あったので、確認のため外へ出てみた。 列車の一番後ろに車掌さん(女性の)がいたので走り寄ってみると列車のドアを閉めようとしている。 「ミュンヘン行きですか?!」車掌さんは私のチケットを見るなり「次の列車です!」と 言いながらドアを閉めようとしたので、私は大慌てで閉まりかけたドアから無理矢理飛び乗る。 「危ないです!!」と厳しく叱られた。・・「スーツケースが列車の中なのです」・・。

しまった〜、違う行き先の列車に乗ってしまった〜〜、どうしよう〜。途方に暮れながらも、こういう時は冷静にならなくてはと自分に言い聞かせる。
「この列車はどこ行きですか?」と尋ねると、ミュンヘン行きだと言う。30分遅延しているミュンヘン行き。 つまり私の乗るべき列車の前の列車に乗ってしまったということだった。同じ番線に、ほぼ乗るべき列車の出発時刻に 入ってきたので、うっかり乗ってしまった。ただしICEではなくてIC、つまり各駅停車。それでも次のミュンヘン行きより早く着く、、という。 オンライン・チケットは指定された時刻の列車に乗らなくてはいけないはず、、そのことを尋ねると、このまま乗っていていいですよ、と、 飛び乗った時に厳しく叱られた車掌さんが優しい笑顔で答えてくれた。ほっとし、のんびり列車に揺られながらミュンヘンへ。

こんなハプニングもあった旅でしたが、あらためてドイツの魅力を感じた旅でした。 環境問題、自然エネルギーへの徹底ぶり、街は綺麗で整い、リッチ感に溢れ、伝統を保ちながらモダンに、ドイツ料理も美味しく健康志向に。 以前多かった日本車はめっきり少なくなり、がっしりしたドイツ車ばかりに。

今回はポルシェ、BMW博物館へも足を運びました。 「美しく速い」(Schoen und schnell)、美しいフォルム、そして速い車を追求した フェルディナンド・ポルシェ。Dream comes true!!「夢は叶う」・・車づくりに夢を追い求めました。
マイスターの国ドイツ。車にもオルガンにも、、ドイツ人の確固たる技術、『ものづくり』へのこだわりと ポリシーが貫き通されていることを痛感しました。

(写真Autoも合わせてご覧ください。)







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