オルガニスト楽屋話

第16話 スウィミング ---1998.2.2.

一年中で一番寒い季節を迎えていますが、今、私にとってプールとサウナは 体と心のオアシスです。オルガンを弾く姿勢は、手足を浮かせ、腰に負担の かかる、不自然な姿勢です。ただ座っているだけでも疲れるような固い椅子に、 毎日何時間も座り、時には重い鍵盤で、また時には5段鍵盤もの大きな オルガンでは腕をかなり高い位置にまで上げての演奏にもなります。 私は頑固な肩凝りに、いつも悩まされています。

そんな私に欠かせないのが<水泳>です。学生時代、あんなに夢中になっていた スキーやテニスですが、今はまとまった時間がとれないこと、大きなコンサートを控 え、怪我の心配を考えてしまいますと(子供の頃から怪我をした経験はないのですが)、 残念ながら縁遠くなってしまいました。

我が家から、約1分の所にプールがあり、いつでも泳げることは幸せ!。 バッハを弾き、そして即座に水の中へ・・これは最高の気分転換です。 一人っきりのプールになることもしばしばで、特に夜の光に照らされた水の中で、ま るでお魚になった気分で泳ぐのは、最高のリフレッシュです。緊張した体をほぐして くれます。サウナで汗をかき、心までポカポカになります。体力作りにも、健康維持 にも私には欠かせないと、最も苦手だった水泳が、今、身近なスポーツになっている のは不思議なくらい。これも週二回教えて下さる芦澤先生(元 オリンピック選手)のお陰。規則的に参加出来ず、いつも”お久しぶり”と 言われながらも、優しく教えて下さる先生には感謝です。

先日、気が付いたことがあります・・水泳もリズムなんです。リズムに乗ると、体は 水を切ったように進み、呼吸も楽なのです。 私は今、水泳に夢中。水の中で、全てから解放されながら、また次へのエネルギーが 得られる気がしています。

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