オルガニスト楽屋話

第165話  さくらんぼの季節に(2つのコンサートを終えて・・) ---2013.6.28.

6月13日、山梨キングスウェルでのランチタイム・コンサート。前夜の台風上陸という予報が、温帯低気圧に変わったとはいえ、 東京は大雨。雨にも負けず、風にも負けず、、(こんな悪天候、お客様は来なくても、私は行かなくては、、正直な心境です・・)、 朝6時45分、我が家を出発。ひどい雨の中、中央高速を飛ばす。笹子トンネルを 越えた後から天気は変わり、キングスウェルは曇り。東京の荒れた天気が嘘のよう。
キングスウェルは葡萄畑に囲まれていますが、降水量が少なく、日照時間が長く、昼夜の寒暖の差が大きいことなどが、良い葡萄が栽培される条件 いうのに納得。

4月から始まったランチタイム・コンサート、今回は第3回目でしたが、1回目の2倍以上(3倍近く)のお客様にご来場いただきました。 こんな素敵なオルガンと施設ですから、多くの方に知っていただきたいと、毎回意欲に燃えています。お客様から寄せられるお声は大切で、今回も コンサート終演後、アンケートを見ていました。すると、小学校から高校まで同じ駅から一緒に学校に通った友人の名前が! 隣接するレストラン内を探したところ、お一人でランチを召し上がっていたので、ご一緒することに。朝早くにFacebookに投稿した 私のメッセージを見て、予定されていた用事をキャンセルして、駆けつけてくださったと言うのです、感謝!20年振り(?)の再会。 こうした仕事をしているがゆえに与えられる喜びです。

その後、ホールでオルガンとしばらく時間を過ごし(←おかしな表現ですが、、)、帰途に着こうとすると、 「丁度、さくらんぼの最盛期ですが、農園へいかがですか?!」とホールの支配人さん。なんて嬉しいお誘い。車で約10分、さくらんぼ園に到着。 さくらんぼが樹になるっている姿を初めて見ました。真っ赤な可愛いさくらんぼ!!丹精込めて育てられたのでしょう。 「食べ放題40分」・・自分の手でとりたてのフレッシュなさくらんぼを、お腹の中からさくらんぼの樹が出てきそうなくらい、 お腹いっぱいいただきました。(上の写真、さくらんぼ農園で真っ赤なさくらんぼに囲まれて満足顔の私・・)

そして東京へと帰途につくと、途中から雨になり、東京は相変わらずの雨でした。美しいオルガンとオルガンを囲む方々と交わりの時、 そしてさくらんぼ狩りまで楽しませていただき、幸せな日となりました。

梅雨時のキングスウェルのガーデンは、新緑も一層鮮やかで白い紫陽花が咲き、綺麗でした。


当日の演奏会後半を、YouTubeでお聴きいただくことが出来ます。 接写はつらい〜、これまでオルガニストは遠いところ(大ホール)、場合によっては見えないところ(教会)で 弾いていましたから、こんな近くから映されると、、、。でも普段、見ることが出来ない演奏シーンを お楽しみいただけるのであれば幸いです。そして数台のカメラを駆使しての収録と編集をしてくださっている Stuartさんには感謝です。



6月27日は、川口リリアホールで、第8回『世界オルガン夢紀行』。毎回オルガンと共に世界を旅してきました私の企画ですが、 今回はバロック時代の大家であり、オルガン音楽史上、最も大切な作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハにスポットをあて、 バッハの様々な様式の作品をお聴きいただき、私が撮影したバッハゆかりの写真とお話で進行しました。

この企画も8回続き、最初の頃は大変だった一人3役(演奏、お話、アシスタント)も慣れ、映像やお話が入らないと 物足りない気さえしてしまうように。 またホールスタッフの皆様とも息が合い、準備、本番もスムースに。そしてご来場の皆様にも定着した感はとても嬉しいです。

リリアホールのオルガンは、スイスのオルガンビルダー、クーンによって製作された楽器ですが (日本には東京オペラシティ、ミューザ川崎、宝塚ベガホールにもクーン・オルガンが設置されています)、先々週弾き、<メッセージ164話>にも書きました 東京オペラシティのオルガンと同じ整音技師による(←オルガンの本質である音色に大きく係わります)もの、 つまりオペラシティとリリアホールのオルガンは兄弟、姉妹のようなオルガンということになります♪。どちらも良く歌い、表情豊かで思いのままの音楽表現を可能にしてくれる素晴らしいオルガン! 美しい楽器を弾け幸せです。
そしてもちろん主役は会場にいらしてくださった皆様。聴き手がいらして私達の演奏も生きてきます。 今日も2公演とも多くのご来場者がありました。私の演奏とお話に耳を傾けてくださいました皆様、ありがとうございました。

バッハの生涯を作品と映像で追いました。その生涯は終わっても、バッハの音楽は 末永く人々に安らぎ、癒し、勇気や希望、そして喜びを与え、人々の心に生きています。小さき私も、バッハの音楽に 魅せられオルガンを始め、〇〇年も毎日必ずバッハは弾いていますし、これからも勉強したい、弾いていきたいという 気持ち一杯になる、奥の深い音楽を残してくれています。バッハとの対話は、私の残された生涯、ずっと続くことでしょう。 音楽ってなんて素晴らしいのでしょう! Bach forever!! Music forever!!






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