オルガニスト楽屋話

第166話  「達人のこだわり」取材秘話 ---2013.7.20.

日本経済新聞が土曜日に発行している「Plus1」という紙面の中の『達人のこだわり』に登場いただけませんか、 という話がメールで舞い込んで来ました。様々な職業の達人が、愛用しているこだわりの品をひとつする紹介するコラムで、 仕事ぶり、仕事の世界も紹介したいと。私が達人??〜そうは思えないのですが、日本では馴染みの薄い楽器、 オルガン、その楽器を弾くオルガニストをとりあげていただけるなんて嬉しいことと思い、取材をお引き受けしました。

「いくつか愛用品を挙げていただければ」とのこと、演奏に欠かせないオルガンシューズ、楽譜にストップを 書き込むポストイット、それを切る折りたたみのハサミ(横浜中華街で100円で売っているこのハサミは、 飛行機機内にも持ち込める便利グッズ)、ストレッチポール、を挙げたところ、専門的な品 (オルガンシューズ)はNG、ポストイットは最近の記事に登場しているのでこれも没、、ストレッチポールが選ばれました。

取材の場所は日経新聞の東京本社ビル。「愛用品も撮影しますので、お持ちください」、、取材のお約束日が近くなり、 よく考えてみるとバッグに入るものならばとにかく、ストレッチポールを抱えて電車に乗る、、 持ち手もない1メートルの筒をどうやって、、、。相談してみると、駐車スペース用意してくださることに。 取材当日はどしゃぶりの大雨。車を走らせながら、ナビに住所を入れてみると、千代田区大手町1丁目までしか出ない〜、どうして?!。 行ってみてわかったのですが、新建築のビルが連立し、どうやら新しい情報を網羅していなかったようです。 約束の時間に少し遅れてしまったのですが何とか辿り着くと,担当記者のFさんが待っていてくださいました。 本社エントランス前に駐車スペース(こんな所に止めてよろしいのですか、、、)、新しく立派な本社ビル、 ガラス張りでカッコいいエントランス、警備も厳しく、入口、エレベーター、ドアの毎に、入館証をかざし、 チェックされます。入館証を失くすと、出られなくなりますから、と注意される私。

通された7階(←確か、、)は取材用の個室が並ぶブース。窓からは東京をパノラマに目の前には皇居とお堀、 何て素晴らしい眺め。いつも川ばかり見ている私は嬉しくなる。雨でなければ、もっと見晴らしは良かったでしょう。 お若く素敵な女性記者の方は,アメリカの大学に留学経験がおありで、その時にオルガンを弾かれたことがある、、と。 オルガン奏法、オルガニストの悩みもよくおわかりで、話も弾み、「相棒」・・なるほど〜、とても素敵な記事に してくださいました。

カメラマンが個室にいらして私と物の写真撮影に。顔写真は見開きの右ページなので、顔が外を向かないようにと。 そんな配慮まであるのですね。物のストレッチポールがひょろ長なので写真に収めにくく、私が持つことに。 太い腕までが写真に映ってしまいました、、。

大きな楽器、両手両足を使い操るオルガニストは重労働、演奏や練習にと楽器へ行き着く間でも労苦は多いのです。 ストレッチポールや水泳で体のメンテナンスは必須。練習の合間にプールやジムで気分転換しながら、 楽しみながら音楽している毎日です。






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