オルガニスト楽屋話

第183話  古きもの、新しきもの ---2014.10.17.

暑くて長かった夏も終わり、秋へと移りゆく季節の変化は嬉しいものです。

ここ一ヶ月、メッセージの更新もままならぬほど、、時間があれば実家の片付けに追われていました。 実家の私の部屋には、ドイツの音楽大学への入学、また奨学金をいただいた ロータリー財団関係の書類、よく勉強したなと自分でも感心するほどのドイツ語の参考書に単語帳、、、夢と希望に満ちた大学生時代の私が いたままに残されています。

生まれた時からのアルバム、子供の頃、学校にそして 普段に着ていた洋服、その中には発表会で着たドレス、そして母の手作り(・・というより、母に作らせた・・) 洋服、それからバッグに帽子、、。子供ながらにうるさかった私は、わがままを言い、よく母を困らせたと思いますが、 こだわりを持ってもっていたものばかりで、思い出があります。 今回処分しましたが、ウェディングドレスもピッタリ着れ、母と大笑い(体型は変わっていますが、、)。

小学校時代の作文や絵日記、子供の頃からの発表会の録音テープやレコード、、 大人になってからの演奏会、ラジオ出演の録音。テレビ出演のビデオ、これはほんの数分出演の番組から、 30分番組、オーケストラとのコンサートの収録番組、などなど様々なものがこれまた大量に。 記事が掲載された雑誌や週刊誌、新聞。全て10部ずつ買っていた亡き父。

どうしても別れられないぬいぐるみ達もいて、もうしばらく一緒にいようね!と我が家へ。

実家の片付けとともに、我が家の片付けも同時進行。ピアノの楽譜は大きさも揃っているのですが、 オルガンの楽譜は大きな譜面も多く、またサイズもいろいろ。そして減ることはなく、常に増えています。 レコーデョングのために私のために編曲していただいた手書きの譜面も山ほど。世界にただひとつ、買うことも 出来ない貴重なもの。

それにCDジャケット写真のために撮影した写真やポジ。毎回数百枚の写真を撮っていましたから、 10枚のアルバム、その数も多いです。
ステージ衣装もパンツスタイルでドレスではないものの、クローゼットに相当量。勉強や資料としてのCD、本、、 それに“楽器”です。手作りで製作していただいたグランドピアノは手放せないし、 自宅練習用のオルガンですから、普通の人よりは格段に多い荷物ではないでしょうか。

そして今日、約40年私と共に過ごした練習楽器(写真右上)は引退することに。 運送屋さんがいらして楽器を動かすと、後ろから約20本の 鉛筆やボールペンが、、。電子楽器ではありますが、譜読み、家での練習にとどの位弾いたことでしょう、私の良き伴侶として、 活躍してくれました。ありがとう。
そして新しい楽器(写真左)が搬入されました。思い出のものとの別れもありましたが、 気分も新しく、夏から秋へと季節の変わり目に、新しい練習環境でスタートです。


(PS)12月13日にはN響主席のトランペット奏者菊本和昭さんと、ムジカーザでこの楽器と同じ機種で演奏、 パーティ付きの クリスマスコンサートが開催されます。ぜひお聴きいただきたく、お待ちしております。


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