第200話 ドイツへの演奏旅行〜その1 ---2016.8.11.
今回演奏した聖マリア教会は、ドイツの首都、ベルリンの中心(ミッテ)、テレビ塔のあるアレクサンダー広場に建ち、 近くにはドームや美術館があり、観光客も多く、賑やかな所にあります。 この教会にあるワーグナーオルガン(1723年)、製作したヨアヒム・ワーグナーはフライベルクにある ゴットフリード・ジルバーマン(バッハの時代の名オルガン製作家)の工房で弟子として働き、その後ベルリンに移り、 マリア教会はじめベルリン周辺にオルガン残した製作家です。聖マリア教会のオルガンは、 1999年ダニエル・ケルンによってワーグナーオルガンを忠実に再現、修復された3段鍵盤とペダル、45ストップのオルガンです。
響きの美しいオルガンを弾ける幸せ、充分なリハーサル時間もいただけ、演奏する楽しみと喜びを感じて、 演奏会に臨むことが出来ました。 演奏後、バルコニーから会堂下へ降りると、ニコニコ笑顔で私を見ている人が。 「ダニエル?」メール連絡をくれていた副オルガニストさんかなと思い、声をかけてみると、 「トーマスだよ」「え??トーマス?」「トーマス・ノルだよ」・・・留学時代フライブルクでの同門下生でした。 フライブルクはベルリンからははるか南、遠いです。ベルリンで働いていて、私の名前を見つけ聴きに来てくれたという。 何て嬉しいこと!そしてフライブルク時代にお世話になり、ドイツの親のような存在だったロータリアン (私はロータリー財団から奨学金をいただいての留学でした)の息子さん夫妻も。嬉しい再会もあったベルリン公演でした。
ベルリンでは自炊でしたが、1度だけミシュランひとつ星のレストランへ。雰囲気の良いおしゃれなレストランで、ドイツーフレンチ、 厳選された食材で丁寧に調理されたお料理は、忘れられないほど美味しい都会の味でした。 さて、ベルリン公演の翌朝、バスでライプチヒへ。そこからレンタカーを借り、次の演奏の地、ポルディッツPolditzへ。 ネットで予約したレンタカー会社Sixtのカウンターは駅の1番線にあり、そこで契約書を確認すると、車のキーと駐車券を渡されました。 車は隣接する駐車場の指定された場所にあり、駐車券で外に出られるのです。なるほど、合理的なシステム。 小さなドイツ車、BMW1かMercedes B、Golf あるいはそれに類似する機種、と予約を入れたのでドイツ車だと期待をしたのですが、 プジョー380。しかしながら まだ4000キロしか走行していないほとんど新車、綺麗な車で(さすが、ドイツ!)、とても乗りやすく、大きなスーツケースも楽に載るハッチバックは便利。 早速ナビゲーションにRoethaと。このナビが非常に優れていて、的確で正確で利口で、そのお陰でその後の旅、 どこへでも迷うこともなくスイスイと。大変助かりました。ライプチヒからアウトバーンと一般道で20分、レータに到着。 ドイツの道路は整い、標識、表示がしっかりし、皆ルールを守り、運転しやすかったです。
日本にコピー楽器があることを話すと、大変驚き、「さあ、どうぞ!お好きなだけ弾いて良いですよ」と。感激の中、 しばらく弾かせていただきました。初めて弾くのに、馴染みのある感覚。古くこじんまりした礼拝堂に、それは美しいオルガンでした。 「もう一台のジルバーマンも弾きませんか」・・レータ村には、もう一台ゲオルグ教会に2段鍵盤のジルバーマンがあり、 そちらも弾かせてくださるというのです。感謝! マリア教会から小路を歩いて数分の所にあるゲオルグ教会へ。こちらも演奏台、鍵盤の掘れから長い年月弾かれてきたこと、 歴史を感じる素晴らしい楽器。レータ村は人が住んでいる気配もないような静かな村でしたが、ここで歴史的な2つの名器に触れることが出来ました。
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