第209話 役者さん達とのコラボレーション ---2017.9.23.
さて今日は、青山学院大学同窓祭のメイン・イヴェントで、市村正親さん、高橋克典さん、井川遥さんが演じる 朗読劇、原作はディケンズの『クリスマス・キャロル』、この幕間やバックの音楽をチェロの山本祐之介さんと私で担当させて いただきました。曲は、フレスコバルディ「トッカータ」、フォーレ「子守唄」、パラディス「シチリアーノ」、マーラー「アダージェット」、 讃美歌など、、それから最後はゴスペル・コーラスと一緒に迫力ありエンディングに。
そもそも市村さんが一人芝居でも出来るという脚本を、お三方で演じる朗読劇に作り直し、今回のご披露となりました。
高橋克典さんのご発案、そして企画、プロデュースです。
リハーサルを重ねながら、創り上げていくのです。演出の効果音、礼拝堂全体に雪が降ったりするなどの 効果照明、細部に至るまで綿密に練られ、高められ、創り上げられていきます。 クラシックですと、譜面などの情報は早くに渡されるものの、個人個人で準備、練習をしておき、実際に 合わせるのは、2〜3回、少ない時には前日に1回、あるいは当日だけ、、ということもある私にとって、 当初、戸惑いもありましたが、どんどんと素晴らしいものが創造されていく様子を間近で見るのは とても楽しい時間でした。 音楽も場面に合わせ、この言葉の後にスタートし、この情景、この言葉でフェンディング、、、などとかなり細かい指示がありました。 事前の練習に衣装、靴まで「これでいいかな〜?」とお持ちになる役者さん。当日のヘアメイクに2時間かかると、流石美の追究。私は前日のリハーサルに10着近い衣装を持ち込み、 高橋さんが選ばれた衣装で出演しました。当然のことかもしれませんが、朗読から醸し出される演出、大変素晴らしく、 役者さん方の真の姿に感動させられました。人を引き付ける、魅了する力がありますね。役者として、また人として、 舞台への情熱、そして人との接し方、多くを学ばされました。 母校のキャンパスで、懐かしい先生や友人とも再会し、普段とは違う経験をさせていただいた秋分の日でした。 ここまで追求した作品、1回ではもったいない、また再演の機会があればいいなと願いつつ。
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