第210話 プチ・パリ生活 ---2017.10.30.
今回はルーブル美術館に用事があり、秋のパリへ。本郷中央教会での宗教改革500年を記念する演奏会、そして 企画をお手伝いしているドイツ人オルガニストの演奏会とアテンド、超多忙にもかかわらず 我が家で和食でのおもてなしをしようなどと思い立ち実行した私。そんな中、プリンタ−が故障、というよりも 深夜に曲目変更といって楽譜が送られてきたのに驚き(コンタクトを入れずほぼ見えない状態で)プリンタ−を机から 落とし壊してしまい、新しいプリンターを購入。そこまでは良かったですが、何分使っていた PCが老体でドライバ−が合わない、、。PCは13年も使っているのに特に不具合もなく、データの移行など面倒で 変えずに過ごしていたのです。それで新しいPCを購入。データの移行、膨大な量の写真、ウェブサイトのためのデ−タの お引っ越し、それは大変な大仕事・・まだ終わっていません。そんなバタバタな中、パリへと飛びました。
10日間のステイ、緑の多いブーローニュの森にも近く、治安も良いだろうと選んだ16区パッシー地区のアパルトマン。
キッチンと洗濯機付きが条件。パリ到着の情報を伝えると、「パリに着いたら一報をください」と不動産屋さんから。
クリスティーナという女性が鍵を持ってアパルトマンで待っている、ということで、彼女の携帯の電話番号が伝えられていた。
シャルル・ドゴール空港に着いたので電話をすると、留守電、、。タクシーに乗り、とりあえずアパルトマンへ向かう。
途中からも2回電話を入れるが、留守電。SMSも送るが返信もない。仕方なく、不動産屋さんへ電話をすると、
「予約は間違いないです。クリスティーナは待っていますから、ご安心ください」と。東京と同様にパリの高速道路も一般道路も渋滞、
1時間ほどかかったのですが、アパルトマンに到着、誰もいない。住所の書かれたアパルトマンの前で、
タクシーの運転手さんは私達の荷物を降ろし、走っていきました。
紅葉が始まり落葉し始めのパリ、この季節にパリを訪れるのは初めて。季節が違うと、街の色、見るものの印象も違う。 日の出は遅く、朝8時を過ぎてもまだ暗い。そんな中、朝早くから煌々と明かりが灯っているのがブーランジェリー(パン屋さん)、 またカフェはお勤め前にエスプレッソを立ち飲みしていく人達で溢れている。
ノ−トルダム、サン・シュルピス、サント・クロチルド、サン・ジェルヴェ、サン・ジェルマン・デ・プレ、サン・セヴラン、 マドレ-ヌ寺院、クープラン、フランク、サン=サーンス、フォーレ、ヴィドール、デュプレ、フランスオルガン史上、 錚々作曲家、名オルガニストが歴代オルガニストを務めた教会、そしてクリコやカヴァイエ=コルの名器が残っている有名教会を一通り周る。 とりわけ日曜日の午前中はオルガンを聴けるチャンスでもあり、ミサをはしご。サン・シュルピス、サン・ジェルマン・デ・プレ、サン・クロチルドを徒歩で、 そして地下鉄に乗りマドレ-ヌ寺院へ、4箇所でオルガンを聴け、即興演奏(フランスオルガニストの醍醐味、素晴らしかった)の名演も聴くことが出来た。 そして美術館巡り。新しく完成したフォンダシオン・ルイ・ヴィトンはモダンな建築の中で現代作品を、 オランジェリ−美術館では、大きなモネの作品に癒される。 音楽と美術に溢れた街、そればかりでない、歴史を感じる堂々たる建築物も立派で見事。 芸術の秋をこの街で過ごせる幸せ。
毎朝、手を引かれて学校に通う小さな子どもたち、通勤する人たちの足早な靴の音、ゴミの収集に来る車の音、 人々の生活の音も忘れられない。観光とは違うパリを味わえた今回のパリ・ステイ。 帰りの飛行機は夜便だった私は、荷物を空港に預け、最後のパリへ。1999年にパリ市からの招聘で演奏会をしたSt.Eustache教会へ行ってみた。 オルガンを弾いている人がいて、オルガンの音が聞こえた。打ち上げをしたレストランも変わらず在り、何とも懐かしかった。 帰国して翌日リハ−サル、その翌日学園祭での演奏会、、時差ボケや体調が心配だったが、 かえって緊張感があり、また新鮮な気持ちでオルガンが弾け、とても心地良く、無事終了。パリの風から得た エネルギ−でまた頑張ります。 写真の ページに写真をアップしましたので合わせてご覧ください。
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