オルガニスト楽屋話

第213話 Happy Easter!! ---2018.4.1.

今年の冬は、白銀の世界を求めて2回雪山へ。(日本人よりも)外国人が多く、異国かと思わされる雰囲気、 そして長野オリンピックでも競技コースとなった長いコースと斜面の面白さから、白馬八方がお気に入り。 雪が舞い、樹木に積もり、真っ白な世界は幻想的。 快晴の日には遠くアルプスを眺めながら、自然の中をスキーを滑らす。何て楽しいスポーツなのでしょう、最高の機敏転換です。
でも一般的には、特に音楽家、演奏家、、の間では、「危ないわ」「怪我しないでね〜」・・と渋い顔。まあそれが当然かもしれません、私も 要注意で滑っていますが、、私の中でスキーはオルガンを弾くことよりも経験歴が長いのです。私にスキーを教えてくれた先生は、オルガンの先生でもありました。 小学校低学年の頃から、毎年、冬に、春に、と、その先生の家族に預けられ、スキー場で過ごした私と弟でした。 スキーが出来ない両親は、ピアノと同様に自分たちが出来ないから、その先生ご家族に子供たちを頼み、お正月も スキー場で迎えていました。

芸大時代はスキー部。競技スキーも経験。 そんな訳で、スピード、滑り方はコントロール出来る、どんな斜面も安全に滑れる・・・今では完全に安全走行の私です。 そして子供の頃、身に付けたものは、体から離れませんね。
スキーを危ないわ、と敬遠する人にはわからないと思いますが、足腰を使い、スピード感、反射能力を養い、リズム感などオルガン演奏にも通ずるところがあるかな、と、 私は楽しんでします(笑)。

今年の雪も見納めだわ・・と思い、白馬を後にし、東京へ帰ってから、なんと2回も雪を見ることに。
1回は山梨キングスウェルで企画の演奏会がある日、中央高速の大月付近(東京から走り、一番標高の高い所)で 雪が降り、帰りは雪景色に。そして2回目は東京で桜開花後に雪が降った日、まさかの雪でした。

こんな例年にない異常気象、早くに暖かくなり、またその後、冬日が戻ったり、、落ち着かない天候続きの今年ですが、 3月に桜は満開を迎え、今日は桜吹雪の中のイースター。

さて私の近況ですが、バタバタと過ごした3月でした。

一番忙しかった日、それは横浜みなとみらいホールで、早稲田大学オーケストラとサン=サーンス第3番。 夕方から築地本願寺での翌週の演奏会のリハーサル・・・という本番とリハーサルが重なった日でした。

この日の出来事です〜〜。若さ溢れる情熱的なオーケストラと気持ち良く午後の公演で弾いた後、次の予定へと急いでホールから出て、次の目的地へ。 知らない道も、また空いている道もナビが教えてくれ、新しい道を走るのも楽しいな〜とドライブ気分で走っていると、 前に突然警官が現れ、ピーっと笛を吹き、私の車をストップさせ、路肩へと誘導する。え、どうして?!、何かあったの?・・・ 全く意味がわからない私・・。

「わからなかったでしょう、では説明しますね」・・と警官。
私は信号は赤、一番前で止まっていました。その信号が青になったので、左折ラインから左折しました。 え、どうして悪かったの??。
「見てください、ここに信号があり、赤でした。」と警官。

左折した信号からほんの数メートルのところに信号があったのです。隣にいた大きなタンクローリーのせいか、全く見えなかったし、気づかなかった私。 しかもこんな短い距離に信号があるとは。警官は「これは横からの細い側道から出てくる車のための信号なんです」と。
待っていました、かのように、その角にある交番にいたお巡りさんが出てきた訳です(汗)。私みたいな人、おそらく沢山いるでしょう。

ま、仕方がない。急いでいたのも事実、見知らぬ地を走る時は注意しないと、、と自分に戒め、 事故になるよりは幸いと思わなくてはと、気を取戻し、築地でのリハーサルへとまた車を走らせました。

築地で待っていたのは、山本純ノ介さんの新作のリハーサル。中央区の合唱団のための書下ろし組曲。 作曲家の山本純ノ介さんは、山本直純さんのご長男で、芸大の同級生。久しぶりの再会。 小編成のオーケストラにピアノ、そしてオルガンも加わって。初めて見る譜面、初見でリハーサル(汗)。

そして翌週の本番まで、スコアを見て研究。1週間しかない、と頑張った私。山本純ノ介さんの『組曲〜うたのふるさと・わがまち』から 「時代はめぐる」「地球讃歌」の2曲、オルガンが効果的に用いられた合唱曲で、 築地本願寺という特別な空間で、格別なコラボレーションとなりました。写真は演奏会後に、本願寺の中のお部屋で(文化財とされている歴史的な建物の内部も素敵でした!)。山本純ノ介さんと、 ピアニストであり奥様の山本きよみさんと。

そして今は、夏のドイツ、スロヴァキアでの演奏会、そして春から秋まで詰まった演奏会スケジュールで弾く曲、ソロあり、 伴奏曲ありでずっしりと重くなった鞄を 抱え、練習に日々過ごしています。

我が家の前、そして世間がお花見を楽しんでいる時期ですが、私はこれから弾くオルガンのことを思うとワクワク・・オルガンを弾いている時間が何より楽しくて、 お花見は移動の途中などで楽しみ、今年はお花見よりもオルガンに没頭していたかも、、そんな今年の桜開花でした(笑)。

暖かくなり体も軽く、花々が開花し、緑が芽吹き美しい季節の到来ですね、Happy Easter!!復活祭をお祝いする今日でした。


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