オルガニスト楽屋話

第218話 美しいソプラノ歌手の方々との3公演を終えて ---2018.10.28.

久々の投稿になってしましました。私自身の演奏会に加え、企画をしています演奏会、その関係で 海外からのオルガニスト滞在中のアテンド、送迎などのお手伝い、各方面へ走り(車でですが・・)、我が家での食事に招いたり、、、などなど、様々なことに忙殺の約1か月でして、 いまやっと静かに自分の時間が出来ました。

冬の国からまだまだ夏のような気温の東京へやってきて、体調を崩したオルガニスト。数日の間、調子が悪く、結局演奏会当日の朝になって、 お医者さんへ行くと言う、、私も慌てて予定変更し同行しました。よく効くお薬をいただき、演奏会は無事終わり、本当にほっとしたのが、こうした予想外のハプニングも。

しかしながら、これまで海外各地、どのくらいの「ありがとう」を言ってもすまないくらい親切にしていただいてきた私。 いまこうして私の中での恩返しが出来、私にとって幸せでもあります。

さて、ノーベル賞を受賞した本庶佑教授のニュースは嬉しいものでしたが、「研究にはタイムレコーダーがない」・・好きな時に好きなだけ没頭出来、 こんなに楽しいものはない」、、というお言葉、がんを撲滅するような薬の発見にはほど遠いですが、私の音楽人生も全く同じ!!、と感銘を受けました。

日頃の練習、音楽への時間と情熱の投資は計り知れないもの。ある時、練習に費やす時間を楽譜に書き込んでいた友人オルガニストがいましたが、 膨大な時間を費やしています。タイムレコーダーはありません。でも好きな時に、やりたいだけ出来る、本当に楽しいことなのです。

「研究を絶望的になって、辞めようと思ったことは一度もなかったことは幸せ!幸運であった」、「それにかける勇気と熱意があるかどうかである」・・ これらの本庶教授の名言も、多くの若い研究者に励ましの言葉でありましたが、私と音楽への関りも全く同じです。

偶然ですが、ソプラノ歌手の方との共演の演奏会が3回続きました。それぞれお声に特徴があり、音楽、選曲の好み、スタイル、ステージの創り方・・ 個性があり、とても楽しかったです。何より、地味なオルガンを華やかに盛り立てていただけるのは、嬉しいです。
余談ですが、同じ曲でも調性が違い、テンポ、ブレスの箇所が違う、、当然なのですが、(おっちょこちょいな私なので)持っていく楽譜を間違えないように!と。

名古屋中央教会、以前から知り合いの原順子さん、彼女のチャーミングなお人柄、選曲も時に教会での演奏会とは思えない(笑)楽しくバラエティに 富んだ選曲はいつも楽しいもの。Make A Wish 難病のこどもさんに夢を与える、そんなチャリティ団体のお仕事の傍ら、明るい歌声を響かせてくださいました・・ 素敵ですね!私も微力ながらお手伝いが出来、幸いでした。

そして豊田市コンサートホールでは藤田美奈子さんと。ダイナミック、かつ繊細な音楽性も持ち合わせた彼女と、バロックの名曲からオペラのアリアまで、 響きの良いコンサートホール、美しいオルガンを私も堪能しました。オルガンはアメリカのブランボー製作。奏者の後ろにパイプがあり(リュック・ポジティフ)、 彼女はオルガンの中で歌っているかのよう、上手く溶け合い、二人の呼吸も合って。前日入りでしたので、夕食は美味しいお蕎麦の懐石料理を一緒にいただき、 3回目になる彼女との共演でしたが、お話&お酒も進み、久しぶりに楽しい演奏旅行でもありました。

そして今日は聖ドミニコ学園で市原愛さんと。私の母校、と言いますか、母幼稚園でして、学園全体の親睦の集いでしたが、バロックの名曲と、 ご父兄お子様も楽しめる曲を・・・こうした曲の伴奏も楽しいです。お姫様のような愛さんは、終演後、可愛い園児たちに囲まれて。 音楽の楽しさ、分かち合えた感触が嬉しい秋のひと時でした。

長い夏も終わり、ようやく秋らしいこの頃に。クリスマスまで様々なスケジュール、忙しいあと2か月、 クリスマスまでの5公演、各地で演奏します、機会がありましたらお聴きいただけましたら幸いです。





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