オルガニスト楽屋話

第222話 新しい季節に・・ ---2019.4.2.

今年も桜の季節となりました。蕾になってから気温の低い日が続き、開花が遅れていた我が家前の桜も、ようやく満開に。 両親が育てていたシンピジウム、今は我が家にあるのですが、久しぶりに花が咲きました。

暖かな陽気になると、体も軽やかによく動きますね、私の手足ばかりではありません、 オルガンも心地よく鳴ってくれる。寒く冷え切った教会や会堂での練習、オルガンも私も凍え、ガチガチと何だかこわばっていましたが、 ようやく厳しかった寒い季節も過ぎました。車のトランクに乗せて練習場所へと持ち運んでいた電気ストーブもおろし、良い季節の訪れです。 あら、いい曲あるわ〜、と弾いてみる。素敵なメロディに心もウキウキ、嬉しい春の到来。

皆様、花粉症はいかがでしょうか。私もよく聞かれるのですが、金属アレルギー、香り、煙り、、、アレルギー体質、色々敏感なところがある私ですが、 花粉症はなぜか大丈夫です。悩まれている方が多い中、なんだか鈍感みたいですが。

さて嬉しいことに2020年6月、10月、と海外での公演の依頼が入ってきました。先の話なのですが、「曲目を出してください」・・と。 半年〜1年先位まではこれまではよくあることですが、1年3カ月先となるとかなり先の演奏会、そんな先の話、、その頃、私は何を好んで弾いているのでしょう〜。 さらには、「日本の曲、邦人の作品を入れてください」、と。悩み、考えました〜。以前、ボン(ドイツ)での現代オルガン週間では、1コンサート、 オール邦人作品で演奏しました。その後、私のために書いてくださった作品も。でも何か新しいものを選びたいと考え、そして選んだ作曲家は武満徹。 残念ながらオルガン作品はないのですが、ピアノ作品ですがオルガンにぴったりの曲がありました!試してみると、なかなか、いやとても美しい和声、 オルガン的な響き!!・・という訳で、武満徹さんの作品を編曲し、演奏することに。こんなことを考え、模索し。 小さき私に与えられるこうした機会は、日々の私に刺激を与えてくれています。

そんな中、飛び込んできたのが、来年度、芸大オルガン科の新入生が0人という話。一学年、2人〜3人という少人数ですが、 毎年欠くことなく学生はいました。私の学年は、12名受験し、3名合格(現役は私だけ)でした。 研究、夢は一生いつまでも追っていけるのに。夢を追う人がいなくなったのでしょうか。日本のオルガンの数も増えたし。確かに、毎日の練習、果てしなく多くの時間とエネルギーを投資 しなくてはならない。でもそれも楽しく喜びなのに。少し残念です。

一方、私は今の私があること、今の私に与えられていることに感謝。昔の写真も時々見るのですが、今の私の方が好きな私です、若さはなくなっていますが((-_-;)。

昔、流行ったABBAの歌・・
♪Thank you for the music
♪The songs I'm singing
♪Thanks for all the joy
♪They're bringing
音楽よ、歌よ、ありがとう。
音楽が与えてくれる
全ての喜びに感謝を捧げよう。

なんて幸せ、音楽、ありがとう!与えられた全ての喜び、あなた(神様)に感謝しよう!素敵な歌詞ですね!まさに今の私の心地です。
マイペースで、いま私に与えられたことを大切に、音楽と共に過ごしていきたいと思っています。

桜満開の昨日、4月1日、新しい年号「令和」が決まりました。西暦との返還は面倒だとも 思いますが、万葉集からとった梅の花にまつわる美しい響き、日本らしさがありますね。 与えられた「音楽」に感謝し、この喜びを皆様と分かちつつ、新しい季節、新しい年の節目、私も実は節目の年なのです、新しい気持ちでスタートです。





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