国境を越えられない辛抱の夏も2回過ぎました。私を含め演奏家、音楽家の方々、楽器を弾いたり、勉強したり、やりたいことは山のようですから、自分の時間は有難く、 自粛生活、家籠りも特に苦ではないのですが、この鎖国状態だけは辛いものがあります。YouTubeやCDで聴くヨーロッパの美しいオルガンの響きは、今の私にはとりわけ美しく響き、また ヨーロッパのカテドラルや教会の響きに包まれたいと願います。延期になっているドイツの演奏会の主催者から、来年度2022年はいかがですか、、と。 出入国時の隔離規制がとれない状況、ドイツは日本を渡航危険地域に入れている今、悩んだ挙句、2023年にと返事を出した私です。 日々、音楽と共に過ごしている私にとって、音楽は空気のような存在で、これまで特に感じることもなかったのですが、 そんな私ですら、音楽に癒される、音楽っていいな、音楽の力を感じます。友人と会ったり、出かけたり、そうしたお楽しみの時間は なくなり寂しいですが、シンプルに自分の人生を楽しむ、自分の生き方を探しているのかもしれません。
さて、身の回りの変化と言えば、いよいよ、13年という長い年月、愛用した携帯電話(ガラケーです!)とさようならをし、iPhone13へ。
まだガラケー?!と皆に驚かれるのですが、iPad miniと併用し、電池の消耗も少なく、海外での電話料金も安いガラケーは特に不便もなく、むしろ私には好都合でした。
ただ、買い物などでアプリを使うときに、レジで片手で持てないiPad miniは落としそうになり段々不便に、また2台持ちをそろそろ1台にしようかな、と。海外ではiPad miniをPC代わりにしていましたが、
しばらく海外へ渡航しないとそのメリットも感じられなくなったことも一理です。
話は全く変わりますが、このところ、教会でのご葬儀、お別れの会、記念会が続いています。教会での礼拝ですので、前奏、後奏、そして献花(や飾花)の時の奏楽で、毎回 楽譜を引っ張り出してきて曲を選び、分厚い楽譜にマーキングしたりコピーしたり。演奏時は譜面立てやオルガンの椅子の上に楽譜がいっぱい。教会のオルガンはバルコニーにありで後ろ向きなので、 毎回献花の進行具合など見ながら弾きますが、今回、『ご葬儀のためのマイ・ベスト・セレクション』・・とっておきの美しい曲ばかり選び、20曲ほどの今日をコピーし製本しました。 毎回、ご葬儀の連絡が入ると慌てて楽譜を探していましたが、その必要もなく、譜捲りも片手で簡単に出来、最期の和音を伸ばしながら、次の曲へ切れ目なく進むことも出来ます。 便利だし、これからも使える。私の葬儀の時にも弾いてもらいたい曲ばかりです(笑)。 音楽は人の心に寄り添います、とりわけオルガンは相応しい楽器であるとずっと言ってきた私にとって、慰めのシチュエーションでオルガンを弾いて、と用いていただけますことに 生き甲斐を感じます。ここにも音楽の力、大いにあります。このコロナ禍で感染症でない他の病で入院しても面会も出来ない闘病生活、最期も看取れず天へ昇られたというお話に涙が溢れそうになりました。 愛する家族を天に見送り寂しさの中にある人々に慰めを、そして天上に昇り生涯を全うされた故人に私の音楽と祈りが届きますように。一昨日も一音一音に心を籠めて弾かせていただきました。 そうしたことが出来る私が今いることに、感謝です。どんな時も、音楽の力を信じ、生きている限り私に出来ること、進めていきたいものです。感染症が収束する日は必ず来ます、希望を持って。
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