オルガニスト楽屋話

第272話  思うこと ---2025.10.29.

ショパンコンクール、数日間ショパンの音楽漬けになっていました。YouTubeで世界中に音楽配信され、リアルタイムで ワルシャワの会場と繋がっているのは凄いですね。若き才能溢れるピアニストたち、技術的にはもちろん、繊細で表情豊か、 美しく素晴らしい演奏。ピアノの聴き比べ、選び方(スタインウェイ、Fazioli、シゲルカワイ、、)も興味深く、ショパンの音楽に浸った数日間でした。
録画で、お気に入りの奏者、好きな曲、選んで聴けるのは実に気楽なものですが、私自身、経験者ですが、長時間にわたっての審査、 審査員の仕事は大変なものだと思わされました。

ファイナルに残った日本人二人、繊細で細やかな表現、美しい響き、入賞確実と応援していましたが、残念ながら3位までには入れませんでした、 意外な結果。音楽に点数や順位は付けたくない、自分の中で好みを楽しむのがベストというのが私の感想です。

しかしピアノの表現力は大きいですね。ショパンが残した繊細で感情豊かなピアノ作品。ショパンはまさに「ピアノの詩人」。 美しい旋律に涙させられる。一方、オルガンに向くと、無表情で固くなで無機質。バッハの数学的で建築のような音楽。同じ鍵盤楽器でも全く違う楽器。

しかしながら、オルガンが教会に響く残響を伴ったあの響き、そして教会で発展してきた楽器、またキリスト教をバックグラウンドに 生まれた作品が多くを占めている、神への讃美、また神様と繋がってる楽器であること、ここが最大の違いだと思います。 宗教的なもの、宗教心が音楽に込められている、だからと言って、キリスト教会、あるいはクリスチャンのためだけの音楽ではなく、 全ての人の心に訴える、心に寄り添う音楽であり、音であると思います。

暑い夏がようやく終わったかと思うと、急に冷え込みを感じる冬のような陽気に。サンダルからブーツへ、一気です。 でも冷暖房を入れない今の時期が、一番オルガンが自然に美しく鳴ってくれて嬉しい季節です。こんなことを感じるのも オルガニストだけかもしれませんね。私に与えられた楽器のことを思うこの頃です。





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