オルガニスト楽屋話

第32話 「きよしこの夜」の故郷 ---1999.11.28.


きよしこの夜、星は光り・・世界中で歌われ、誰でも知っているこの クリスマスの讃美歌は、オーストリアのオーベルンドルフ という小さな村で生まれました。 1818年のクリスマスの直前に、聖ニコラウス教会の副司教のヨゼフ・モーアは 詩を書き、教師でもありオルガニストであった友人のフランツ・クサバー・グルーバーに渡し、クリスマスまでに 曲を付けて欲しいと頼みました。 そしてクリスマスイヴに、モーアがギターを弾きながらテノールを歌い、グルーバーが バスを、そして聖歌隊が加わり歌ったそうです。今日では様々な編曲で演奏されますが、 2声の独唱にギター伴奏・・これがオリジナルの編成だったのです。

ザルツブルクから北へ約20キロのこの村を、私も訪ねました。 中央駅からローカル線の電車に乗り25分、そこから歩いて10分ほどの住宅街の中に、”Stille Nacht Gedaechtnis Kapelle” という小さな白い礼拝堂がありました。当時の建物はザルツァッハ河の洪水で流されてしまい、その代わりにその場所に、 記念碑的な現在の礼拝堂が建てられているのでした。 すぐ近くの堤防に上がってみると、なるほど、河が丁度Uの字に蛇行していて、氾濫しやすい地形であることが良くわかりました。

毎年クリスマスイヴには、真っ白な雪に覆われたこのカペレで「きよしこの夜」が歌われるそうです。

私がオルガニストをしている日本キリスト教団大森めぐみ教会でも、12月24日クリスマスイヴにキャンドルサービス礼拝をし、「きよしこの夜」を歌います。 礼拝は5時、7時、9時の3回ですが、私は7時の回でオルガンを弾きます。 どなたでもご自由に入れます・・どうぞお出かけください。

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