オルガニスト楽屋話

第44話 マイ・ブーム ---2001.2.21.

寒い冬、こんな季節に私のお気に入りはプールとサウナ。 年間通して泳いでいますが、とりわけこの季節には気分が良いものです。 オルガン演奏は不自然な姿勢の連続ですが、 適度に泳ぐと体がほぐれ、疲れがとれます。 また教会での練習は寒く、体も冷えてしまうのですが、 サウナで、心も体もポカポカに暖まります。 ちょっとした時間で気分転換でき、またリフレッシュできることも魅力的で、 少しの時間を見つけてはマンション内のスポーツクラブへ出かけています。

最近少し上達し、ゆっくりならば長い距離(どこまでもと言いたいところですが) を泳げるようになり、楽しさも倍増。 今の目標はバタフライでイルカのように泳げるようになることですが、 これにはまだまだ時間がかかりそうです。 毎年風邪をひく私ですが、この冬はとても元気に過ごしています。

夜の東京をドライブするのもマイブームです。気温が低い この季節は空気が澄んでいて、ネオンの光もとりわけ鮮やかに見え、 昼間の雑踏とした東京も、美しい街に変身します。 ドライブと言っても仕事帰りに首都高速を走るくらいのことですが、 冷たい外気の中をとばすのも気持ちの良いものです。

またこの季節は、クリスマスや年末年始のスケジュールから一段落し、 新しい気分で何かを始めたいと思う時期・・寒い時ですし、暖かい家の中で、 譜読みをしたり、勉強するのもふさわしい季節です。 今は、ヴィエルヌ、ギルマン、ギラン、ルメアにはまっています。 ドイツで勉強中などには縁遠かった作品ですが、新しい世界に 足を踏み入れていくのも楽しいもの。例えば ヴィエルヌの「Pieces de fantasie 幻想的小品集」・・ 色彩的で美しい和声に引きずり込まれているところです。 常に「やりたい」ことが目の前に山積み状態。生涯かかっても 消化できないと思うほどです。

さてこのヴィエルヌはオルガニストを務めていたパリのノートルダム寺院で 演奏会の最中にオルガンのところで息をひきとったとのこと。 生涯最後の瞬間までオルガンと関わっていれるかはわかりませんが、 音楽とともに過ごしている私にとって、「学ぶこと」は一生涯、 続くのでしょう。

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