オルガニスト楽屋話

第63話 私の愛用グッズ ---2003.5.28.

オルガンを弾く時は専用の靴を履きます。すでに 第35話でオルガンシューズのことは 書きましたが、今回は私が普段使っている靴、それから演奏会場への携帯グッズを公開します。

靴は演奏会場では見えない部分ですし、またテレビなどでアップで映るなど極々特別な機会以外は 目に触れることはないと思いご紹介します。 本当はもっとお洒落な靴を履きたいのですが、機能重視でいつもこのデザインです。 写真はわりと最近新調したもので、今は我が家での練習に使っています。家の中は しばしばこの靴でふらふら歩いています。

新しい靴は固いので、しばらく使って足に馴染むようになってから本番で使用するよう にしています。ですから実際にコンサートで履いているのは、少し傷んだ靴です。 また持ち歩くのが大変なので、 頻繁に行く大学や教会などには置いてあり、現在の現役は5足です。 私は特注で靴底は水牛の皮にしていますが(普通の皮より柔らかく、カタカタ音がしない)、 靴屋さんの話ですと、ぞうりの底と同じで、だんだん需要が減り少なくなって きているそうです。



そのほか便利なグッズはロールテープ、そしてこれを切る小型のハサミです。 普通のPost it では捨てる部分が沢山で譜面台の周りがゴミの山。裏側全面が粘着し、 しかも好みの大きさに切れるこのタイプを愛用しています。 演奏会の前には、楽譜にストップやコンビネーションのことを書き込みますが、 楽器によって毎回違うので、演奏の度に書き直さなくてはなりません。毎回 鉛筆で書いて、消して・・では楽譜もボロボロです。ですから貼り 付け、取り外しが簡単にできるこのPost itが便利です。そしてこのハサミは 横浜中華街で1コ100円だったと思いますが、これが私の愛用品です。

余談になりますが、オーケストラ団員の方がオルガンの椅子の上に置かれた ハサミを見て、「これ、上から落とされたらたまらないな〜」と。 オルガンバルコニーがステージの 上にあるホール(その日は東京芸術劇場・・)で、彼はティンパニー奏者・・・私の真下でした。 製本していない楽譜がヒラヒラと〜、譜面は一度落としたことがあります。

ニューヨークのテロ事件以来、飛行機搭乗の際の金属チェックが厳しくなり、このハサミも 毎回ではないのですがひっかかります。どうやらバッグの中での角度による ようです。別預けにすると到着後かなり待たされるので、 なんとか免れたいと思うのですが、先日ブザーが鳴った際の検査員には「刃のサイズが小さいので、 持ち込み可能」と言われました。それは良かった、ますます便利グッズになりました。


演奏会場へはこのポーチを持っていきます。 そこにはこのロールテープとハサミのほかに鉛筆、マジック、クリップ、マイタッ クラベル、 両面テープ、ホカロン(冬場のみ)が入っています。譜面が落ちそう、飛びそうな 時にはクリップを。ストップに印をする必要がある時にマイタックラベルを。 両面テープは様々な緊急時に使えます、本番直前に衣装がほずれた時にも使ったことがありまし た。マジックはサインを求められた場合に、お答えできるように。 このポーチは衣装の並んだクローゼットの棚の上にあり、演奏会前には さっとバッグへ入れ、あとは楽譜と衣装を持てば準備完了という訳です。 いつでもお供のグッズたちです。




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