オルガニスト楽屋話

第71話 新しい年2005年に寄せて ---2005.1.1.

明けましておめでとうございます。新しい年、いかがお迎えでしょうか。昨年は新潟 中越地震、年末にはスマトラ島沖地震と思いもかけないような大きな自然災害が起こりました。 長岡は私も仕事で訪れたことのある地で、心傷めました。被災された方々には心より お見舞い申し上げます。大晦日の大雪にも驚きました。外出していた私は 慣れない雪道走行になりスリップしながらひやひやのドライブ、しかし元旦の今日 は昨日の天気は信じられないような気持ちの良い快晴です。真っ白に雪化粧した 多摩川に朝日がキラキラと反射し、澄み切った空の向こうには富士山が見え、 「特別な朝」を感じます。あわただしく走り回った12月、たくさんのオルガン を弾き、多くの方々に聴いていただいたコンサート・・・緊張感のある日々でした。 色々なスケジュールを猛スピードで走り抜けました。一日あけ迎えた新しい年は、 なんて静寂に満ちているのでしょう。明るい光にも溢れています。新しい年はこうした 元旦の光に見たような、喜びと希望に輝いている良いお年となりますよう、お祈り致します。

演奏活動の一方で、昨年は多くの方々と出会う機会にも恵まれまし た、旧友との嬉しい再会もありました。ようやくそうした時間を もてる余裕ができたのかもしれません。ただひたすらダッシュしていた私には気づか なかった、忘れていたものが見えるようになってきた感がします。刺激やパワーを受けなが ら、一芸術家として成長していきたいものです。振り返れば、食べる時間すら惜しんで 練習した留学時代、ライバル意識を持ち戦いのような気持ちで弾いていた 頃もありました。健康すら失っていました。そういう時期も必要だったのかもしれま せんが、今ようやく、平穏に余裕をもって演奏できるようになった自分に気づくので す。

今日は我が家でオルガンを弾き、そして初泳ぎ1.7キロ。水泳は体のコンディショ ンを整え、気分転換にもなり、私のライフスタイルに欠かせないものになっています。心身 ともに健やかでいたいものです。精神的にも豊かでなくては、良い音楽も語れないと思います。 美しい風景や美術に触れ心を動かすような機会も大切にし、私自身も人の心を動かせ るような演奏ができる大きな演奏家を目指すところです。 美しい音を追求しつつ、音楽の力で自分も美しく輝いていたいものです。 今年もどうぞ暖かく見守っていただきたく、よろしくお願い致します。








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