オルガニスト楽屋話
第83話 春!!アクセル全開! ---2007.4.18.
草花に綺麗な花が咲くように、大きくなるようにと声をかけたり思いを寄せて
水をあげていると、開花や成長が違ってくるという話を聞いたことがあります。真相はわかりませんが、
人との関わりの中でも、愛情を注ぎ、思いを寄せていると、その答えは必ず返ってくるものだと
最近感じることがよくあります。
一昨日は早起きし、首都高速を抜け、東北自動車道を北上。晴れ渡り青空の日曜日の朝、
しばらく走ると満開の桜があちらこちらに見えてきました。東京では桜の花はすでに散り新芽の季節ですが、
再びお花見できることに。
雪の残る山々をバックに見る桜も綺麗ですね。黄色く色鮮やかな
レンギョウ・・・ドイツでのイースターの季節が思い出されます。春を満喫しながら車を飛ばしていました。
途中、何度か私の車のレーダー探知機は、道路に取り付けられたレーダーに近づくと、けたたましく
鳴っていました。福島県に入った頃、また探知機が鳴り始めたので、スピードを落としながら追い越し車線から
走行車線へ。バックミラーでは後ろの車を確認。後ろの車の迷惑にならないようなスピードで、車間を
確認しながら走っていました。いつまでも騒がしく鳴ってるな〜、と思ったその瞬間、
後ろから来る車の屋根にクルクルと赤いランプが!!まずい、覆面だ〜!「品川ナンバーのアウディ〜」と
マイクから声が。道路脇に止まるように誘導され、「お急ぎでしたか?どちらまで?」「白石キューブです」・
「お仕事は?」「オルガニストです」・「??」。「123キロ出てました」と記録された白い紙を渡されました、あ〜あ、23キロオーバーです。
「白石まであと少しです、どうぞお気をつけて!」と。その後、100キロの制限速度を守って走る私の車は流れに乗らず、
みなは迷惑そ〜うに追い抜かしていくのでした。
白石キューブはオープンして10年、演奏会に出演したりレコーディングをしたホールですが、8年ほど前からオルガン教室が
始まり、今はサークルとして10名ほどの熱心な受講生の熱意で活動が続いています。本当に「1」から、初歩の初歩から、
手とり足とり、オルガンはペダル(足鍵盤)も演奏しますが、手足が思いのままに動かない生徒さんを
根気強く(この表現は適切ではないかもしれませんが、楽譜の読み方から始まり
かなりの時間がかかりました)お教えし、今では人前で演奏できるほどに上達しました。オルガンへの情熱の灯が
燃えていることが嬉しく、また冒頭に書いたように、愛情をかけて育ててきた芽が開花していくことに喜びを覚えるのです。
講座とレッスンを終え、翌日の帰りは次のインター福島まで一般道を。日頃利用している新幹線や飛行機は早いし、定刻で移動でき便利
ですが、こうしてゆっくり走ってみると、これまで目に入らなったもの、見えなかったもの、見過ごしていたものに気づくのでした。
桜、桃、ボケ、モクレンなど花々がいっせいに咲き誇った花道を、嬉しい余韻に浸りながらの帰宅となりました。
(写真は福島、花見山付近で撮影しました)
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