オルガニスト楽屋話

第88話  皇太子殿下ご臨席 ---2007.10.6.

一昨日は「花の万博記念コスモス国際賞授賞式」という式典で演奏してきました。 前日、リハーサルのために会場の大阪いずみホールへやって来ると、早くも警察の大型車がとまり、 警備が始まっていました。大阪府知事、大阪市長ほか今年は皇太子殿下もご臨席されるとのこと、 いつになくホールの外も中も緊張した空気です。スタッフみな緊張の中、念入りな進行の打ち合わせと リハーサルが行われました。

当日、ホール入口はまるで空港のよう。金属探知機が設置され、会場に入る全員がセキュリティチェックを 受けることに。警察官、婦人警官、私服警察官ら大勢が警備し、 楽屋の出入りも厳しく、またホール内はSP、大阪府警本部長はじめ 大阪府警の警察官、そして東宮侍医(お医者様も同行するのですね)で、たくさんの座席を埋めていました。 台本には「御机」「御机用クロス」「御椅子」と、、、 恐らくいつもあるホールの机や椅子だと思うのですが、お使いになられるものはこう呼ばれるのですね。 私の楽屋の隣の隣は殿下の「お控えの間」に。御机に御机用クロスがかけられ、きれいな生花のアレンジメントが飾られていました。

私はオープニング、開会宣言、受賞者発表、メダル贈呈、、などのシーンで、 ステージ上での式典の進行に合わせて演奏する役でした。 華やかなファンファーレ、厳かな曲など、その場にふさわしい音楽を弾かせていただきました。 皇太子殿下のご入場の際はヘンデルの『水上の音楽』より「エア」を。殿下が式典の間着席された場所はオルガンから 僅か2メートルほどととても近い所でしたが、残念ながら私は背中向き〜〜、お姿を拝見することはできませんでした。でも 背中越しに聞こえるお祝いのお言葉は、とても気品あるお声でした。 ご退席の際、ちらっとお姿を拝見!私達、凡人にはない、ゆっく〜りした 時間の流れを感じました。あくせく動いている私は普段遭遇できないようなオーラをいただいた感じでした。

式典が終わると、私はいつものように即刻ホールを出てタクシーで伊丹空港へと。 空港までの道中、ずっと30Mおき位に警備の人が立ち、また沿道には日の丸を持ってお見送りする方の姿も、、 殿下は私のすぐ後、同じく伊丹空港まで車で移動され、飛行機(恐らく特別機でしょう)でお帰りになられたようでした。

こうして演奏会ばかりでなく、様々なところで弾かせていただいていますが、今回はいつもとはまた ちょっと違う演奏の場であり、オーラをいただき、私も帰宅の途へつきました。
この模様は10月9日(火)NHK BS1:「きょうの世界」午後10時15分〜11時45分で、一部放映されるそうです。


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